開催を中止しました
第33回定期演奏会を開催します
盛岡シティブラス指揮者(団内では音楽部長ってことになっています)の梅野真和です。
令和2年5月3日(日)に開催する第33回定期演奏会のプログラムについてご紹介したいと思います。
今回は、オーボエ奏者の大久保茉美さんをゲストにお迎えし、テレビやアニメ等で耳馴染みのある曲を共演します。ぜひ大久保さんの美しい音色をご堪能いただきたいと思います。
この他、「ハムレット」、「レ・ミゼラブル」など、文芸作品の名作を題材とする作品を取り上げ、非常に聴きごたえ(演奏しごたえ)のあるプログラムとなっています。
まず、ゲストの大久保さんについてです。プロフィールについては別に詳しい記載がありますのでそちらをご覧ください。実は大久保さんは、私が盛岡白百合学園高等学校吹奏楽部のコーチをしていた4年間の最後の年の1年生でした。
いつもニコニコしていて可愛らしいお嬢さんで(当時私は生徒たちに“いつも笑顔で”みたいなこと言っていたのですが、彼女は本当にいつも良い笑顔をしていました)、たしかオーボエは始めたばかりでしたが、とても素直で綺麗な音色をしていて今後が楽しみだなと思った記憶があります。
私がコーチをしていた辺りにはプロの演奏家になった卒業生もいて、いつか共演できたらいいな~♪と夢を描いていたところ、今回は団員の中に大久保さんと高校時代に苦楽を共にしたメンバーがおり共演が実現することになりました。
ネタバレしてしまうのであまり多くを語らない方がいいと思うのですが…
大久保さんは、映画「リズと青い鳥」の主人公のオーボエサウンドを担当されたり、「劇場版!響けユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」のレコーディングにも参加されたりと、もしかしたらアニメ・ファンの間でご存知の方が多いのではないかと思います。正直言って私は世代的にあんまりそちら方面は詳しくないんです。うちの団長は詳しそうですけど(笑) また、大久保さんの演奏はYouTubeでも聴くことができますよ!当日会場でCD販売も予定しています。
共演する主な曲は、まず、ボヘミアン・ダンス (ボヘミア風の踊り)。これはドビュッシーが1880年に作曲したピアノ曲(ドビュッシーの作品としては、現存する最も若い頃の作品)をオーボエ奏者の宮本文昭氏のアルバムに収録するため、ジャズピアニストの佐藤允彦氏がエスニック調にアレンジし、さらにソロ・オーボエと吹奏楽の編成に渡部哲哉氏が再構成したものです。この曲が作られた時期のドビュッシーは、チャイコフスキーのパトロンで有名なナジェダ・フォン・メック夫人に援助されており、チャイコフスキーはこの作品の未熟さを酷評したとのことです。何故だ? (ナジェダ?) 嫉妬? ドビュッシーも若い頃はなかなかのイケメン。ちなみにチャイコフスキーはこのあたりの時期、交響曲第4番、弦楽セレナーデ、交響曲第5番等を書いていた…フォン・メック夫人に宛てた手紙の内容を見ても何となく心情がわかるぅ。何と言ってもチャイコフスキーの作品自体の熱がめっちゃ高い!狂おしいっ!たしかにドビュッシーのこの作品は和声進行が不安定だし、構成的にもカチッとしていないけど、ドビュッシーらしい独特な世界が感じられるチャーミングな作品だと思います。
次に、風笛(かざぶえ)~あすかのテーマ~。これは1999年に放送されたNHK連続テレビ小説「あすか」のテーマ曲です。これは大島ミチル氏が作曲。遠藤幸夫氏が吹奏楽に編曲しました。この作品もオーボエ奏者の宮本文昭氏がソロを演奏しその美しい音色は当時話題を集めました。「あすか」は竹内結子主演でしたね。和菓子職人の物語でした。この曲を聴くと当時の“風の匂い”が蘇ってくるような気がします。
…といった曲を大久保さんの美しい音色とともに演奏いたします。どうぞお楽しみに!盛大な拍手で盛り上げていただくとソリスト・アンコールにも応えていただけるかもしれませんよ。そちらもお楽しみに!
2部構成でお届けする今回の定期演奏会。第1部の最後に、吹奏楽の名作「アルメニアン・ダンス」を作曲したA.リードの作品「ハムレット」への音楽(全曲)を取り上げます。
当団では、創立後2回目(1989年)の吹奏楽コンクール出場の際に自由曲としてこの作品を取り上げました。また、翌年1990年の第3回演奏会の客演指揮者にA.リード氏をお招きし、この作品をはじめ「アルメニアン・ダンスPartⅠ」、「春の猟犬」等を演奏しました。それから30年を経た今回の第33回定期演奏会に「ハムレット」への音楽を取り上げることになり、非常に感慨深いものがあります。
リードさん(失礼ながらあえてそう申し上げます)のお人柄などを少しお話します。
ご一緒したのは前日のリハーサルと本番、そしてなんと!翌日にリード夫妻と小岩井農場に行って乗馬を楽しんだり、わんこそばを食べに行ったメンバーもいます。(私は残念ながら仕事のためそちらはご一緒できませんでした) 前日のリハーサル後に「食道園」で盛岡冷麺と焼肉は一緒に食べましたよ!(リードさんは冷麺をフォークで食べてました)
リハーサルは細かいところも繰り返しながら進め、前日のリハーサルでは半分くらいしか進まなくて焦りましたが、前日にやった曲は当日のリハーサルではほとんど取り上げず、残りの曲は当日やるというような進め方で、ある意味効率的だなと思った記憶があります。付点のリズムで休符がない場合とある場合の違いを説明され何度も練習しました。
生のオレンジジュースがお好きでガブガブ飲んでました。本番中、私が指揮するステージも袖で観ていてくださって、後から「お前の指揮はダンスみたいだ」と言ってました(笑) でも、Good!と言っていたような…同行していたマネージャーが、リードさんは滅多に指揮を褒めることはないよと言っていたので…これプチ自慢話です(笑)
リードさんは外を歩いて移動される間いつも何か(カントリーソングみたいな歌?春の猟犬っぽい旋律もあったような…)を口ずさんでらっしゃいました。こんな風にして音楽が泉のように溢れ出てくるんだろうなと思いました。
リードさんの奥様もとてもチャーミングな方で、団員が盛岡弁(?)を教えたりして本当に楽しい時間を過ごしました。私が赤十字に勤めていると伝えると、自分も赤十字でナースの仕事をしていたと教えてくださいました。
このように書き始めるとどんどん思い出が蘇ってきます。(本番中のインタビューもなかなか面白かった…リードさんが夢枕に立った話とか…) たぶん当時の他の団員もたくさんの思い出があると思います。
リードさんとの共演の前年になりますが、実はこの「ハムレット」への音楽、当団にとってはもう一つ思い出…ターニングポイントにあった作品なのです。
当団は創立(1987年)の翌年の吹奏楽コンクールで全国大会出場を果たしました。
ところが次の年、既にコンクールの自由曲が決定していた後に、当時の指揮者を始めとする団員が、考え方の違いにより相当人数退団していきました。一時はコンクール出場も危ぶまれましたが、残った団員でなんとかその年は東北大会(金賞)まで駒を進めることができました。そういうことから苦しい思い出とともにあった曲でもあります。
いやーしんどかったなー。県内外の先輩吹奏楽団の多くの方々からアドバイスをいただいたり…その節は本当にお世話になりました。あの時はとにかくガムシャラでした。(辞めていった人たちもその後新しい団を結成するなどして苦労されたと思います) なんか感傷的な話になってしまい申し訳ありません。
話題を第1部のプログラムに戻しましょう。今回の演奏会で私以外の指揮者をご紹介します。鹿崎良宏さんです。鹿崎さんは当団のクラリネット奏者であり音楽部ですが、岩手県の吹奏楽界にとって欠かすわけにはいかない方であることをご存知の方は多いはずです。普段は音楽部員として楽曲を練習する前の基礎合奏を担当していただいていますが、今回の演奏会ではJ.ヴァン=デル・ロースト作曲の オマージュ を指揮します。
この作品は、オランダの作曲家ヤン・デハーンを讃えて作曲され、ヤン・デハーンと彼が率いるブラスバンド「ソリ・デオ・グロリア」のスペルの中からD-E-G-A-Hの頭文字を抜き出してそれをテーマとし、デハーンが好きだというサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン」のテーマを用い、クライマックスでこれらのテーマが絡み合うという構成になっています。この「オマージュ」というタイトルは、私たちからA.リードさんへのオマージュ(尊敬)にも繋がるのではないかという思いも抱きつつ演奏したいと思います。
第1部では 2020年度吹奏楽コンクール課題曲 の中から1曲演奏いたします。どの曲になるかは現時点で未定です。秘密にするつもりはありません。別途ご案内したいと思います。その時は、自分のバンドも同じ曲取り上げるという方や課題曲に興味のある方はぜひお越しください。できるだけシティのテイストを盛り込んだ演奏を目指して頑張ります!
そして、第1部の最後にW.シェークスピアの有名な悲劇「ハムレット」を題材とする「ハムレット」への音楽(全4楽章)へと繋がります。劇的で輝かしい響きもある反面、物語同様非常に暗く大きな感情の起伏が見られる作品です。大人のバンドならではの味わいが出せればと思っております。
第2部は先にお話ししたオーボエ奏者の大久保茉美さんとの共演を含むステージです。
1曲目は映画 リズと青い鳥 (松田彬人作曲、黒田賢一編曲)です。この映画のあらすじは、けっこうドロドロした人間関係も描かれており、女子って怖いなって思いました。映像は極めて繊細です。これは京都アニメーションが製作した作品で、あの凄惨な事件に巻き込まれて多くのスタッフの命が奪われてしまったことを思うと心が痛みます。
曲も非常にナイーブです。壊れてしまいそうなガラス細工のようです。そんな世界をお楽しみください。
次は ボヘミアン・ダンス 。そして、風笛(かざぶえ)~あすかのテーマ~ の美しい旋律を大久保さんとの共演でお届けします。この後、ソリスト・アンコールに応えていただけるかもしれません。盛大な拍手をお願いしますね!
そして、プログラム最後の曲、ミュージカル「レ・ミゼラブル」より(C.-M.シェーンベルク作曲、森田一浩編曲)です。「レ・ミゼラブル」は、フランスの文豪V.ユーゴーが書いた長編小説。ミュージカルの名作としても有名ですし、X-MENシリーズでも有名なヒュー・ジャックマンが主演でジャン・バルジャン役、アン・ハサウェイがファンティーヌ役を務めた映画も大きな話題になりました。
私は仙台に単身赴任していた時期に、仙台サクソフォンアンサンブルクラブからお声をかけていただき、この「レ・ミゼラブル」をサックスだけのラージ・アンサンブルにアレンジしたもの(語り付き)を指揮する機会がありました。チャイコフスキーの序曲「1812年」を演奏し、それに続いてこの曲を演奏するといった凝った企画でした。また、それぞれの役のソリストが素晴らしい演奏で思い出深い演奏会でした。これを機に私もこの“レミゼ”のファンになってしまいました。映画もさることながらミュージカル25周年記念コンサートの映像を観てさらに虜になりました。このコンサートのジャン・バルジャン役のアルフィー・ボーは最高です。他の歌手たちもプロ中のプロ、私は特にエポニーヌ役のサマンサ・バークスが好きだな~ アンコールで歌う歴代の歌手たちも味があって素晴らしいです。最高のエンターテイメントの映像だと思います。このDVD(BD)ぜひご覧になってみてください。お薦めです!ストーリーは…話せば長いので書きません(笑)
演奏する吹奏楽の編曲は森田一浩氏によるもので、ストーリーの流れに沿ったセレクションになっており、心にしみる旋律の数々がシンフォニックにアレンジされています。
このように第1部・第2部それぞれの最後に文芸作品の名作を題材とする作品を置き、非常に聴きごたえのある盛岡シティブラス第33回定期演奏会。ぜひたくさんの皆さまのご来場を団員一同心よりお待ちしております。
開催を中止しました
日 時
2020年5月3日 日曜日 憲法記念日
13:30 開場 14:00 開演
会 場
盛岡市民文化ホール 大ホール
入場料
一 般:
前売り 700円
当 日 1,000円
中高生:
前売り 500円
当 日 700円
※ 小学生以下 無料
プレイガイド
4月1日
3月25日 前売券販売開始予定です。
2020年度全日本吹奏楽コンクール課題曲 より
オマージュ
J.ヴァン=デル・ロースト 作曲
「ハムレット」への音楽
A.リード 作曲
客演 オーボエ独奏 大久保 茉美 さん
リズと青い鳥
松田 彬人 作曲/黒田 賢一 編曲
ボヘミアン・ダンス - ソロ・オーボエと吹奏楽のための
C.ドビュッシー 作曲/佐藤 允彦 編曲/渡部 哲哉 吹奏楽編曲
風笛~あすかのテーマ~
大島 ミチル 作曲/遠藤 幸夫 編曲
ミュージカル「レ・ミゼラブル」より
C.-M. シェーンベルク 作曲/森田 一浩 編曲
盛岡市盛岡駅西通二丁目9番1号
盛岡駅より西口自由通路を経由して徒歩3分です
第49回盛岡芸術祭吹奏楽部門
盛岡シティブラス第33回定期演奏会
主 催
盛岡芸術協会・盛岡シティブラス
共 催
盛岡市・盛岡市教育委員会・公益財団法人盛岡市文化振興事業団
後 援
一般社団法人岩手県芸術文化協会・岩手日報社・盛岡タイムス社・NHK盛岡放送局・IBC岩手放送・テレビ岩手・めんこいテレビ・岩手朝日テレビ・エフエム岩手・岩手ケーブルテレビジョン